真夏の猛暑が続くようになると、ミニトマトの様子が急におかしくなることがあります。
- 花が落ちる、実がつかない
- 葉や茎がぐったりして元気がない
- 実が赤くなるのが遅い
- 白く濁ったり変形した実が増えた…
このような症状は、病気ではなく高温障害が原因かもしれません。
高温障害とは、暑さによってミニトマトの生育に支障が出る生理障害のことです。特に猛暑日が続く真夏は起こりやすく、家庭菜園でもよく見られます。
私のミニトマトも、今年の猛暑で株の様子が一変しました。それまでは順調だったのに、暑さが厳しくなった途端、花落ち・葉の縮れ・実の変形など、さまざまな症状が一気に現れました。
この記事では、症状ごとの原因や対策とともに、実際に家庭菜園で経験した高温障害の様子も紹介します。
あなたの症状は高温障害?よくある症状
高温障害にはさまざまな症状があります。
病気や栽培方法など、他の原因によるものとの見分けが大切です。
花が落ちる・実がつかない

高温障害で最もよく見られる症状の一つが、花が落ちて実がつかなくなることです。
写真のように花やヘタがついていない部分は、花が落ちてしまった跡です。まるで切り取られたようにプツンと無くなっているのが特徴です。
トマトは花粉が正常に働くことで受粉し、実が育ちます。しかし、高温になると花粉の働きが低下し、受粉できずに花が落ちやすくなります。
また、花自体が弱くなるため、少しの刺激で落ちてしまうこともあります。
我が家のミニトマトも、誘引作業で軽く触れてしまっただけで花がポロッと落ちてしまうことが増えました。
実が赤くならない・収穫ペースが落ちる

「実がなかなか赤くならない」というのも、高温障害でよく見られる症状です。
トマトが赤くなるのは、リコピンという色素によるもの。リコピンが最も生成される気温は20°C〜25°Cと言われています。
30°Cを超える暑さではリコピンの生成がうまくいかず、色づきが進みにくくなります。
「全然赤くならない」というよりは、
- 黄色やオレンジ色の期間が長い
- 赤くなるまで時間がかかる
- 収穫の間隔が空く
と感じるケースが多いでしょう。
我が家では猛暑になってからは「今日はまだ赤くなっていないな。収穫できるミニトマトがないや。」と収穫ゼロの日が続いています。
当初は「収穫がひと段落しただけ」と思っていましたが、気温が40°Cに迫る日も続き、高温による影響もあると感じています。
私は「赤くならない=温度不足」という印象が強く、高温でも着色不良が出るとは知りませんでした。
ミニトマトが赤くなるのに必要な温度についてはこちらに詳しく書いています。
実の変形・白濁

実の変形・白濁して見えるのも高温障害の症状の1つです。
写真は同じ株の実です。本来球形の品種ですが、酷い暑さになってからはプラム型っぽい形に変形してきました。
また、実のお尻の部分がいびつに変形したものもあります。

尻腐れ病かな?と思って取ってしまいましたが、腐っているわけではなく、変形しているだけでした。
葉がしおれる・縮れる

真夏の猛暑が続くと、葉や茎がぐったりして元気がなくなることがあります。
高温障害では株全体の勢いが落ち、葉が小さく縮れたり、生育が鈍くなったりすることがあります。
もっとも、葉や茎がしおれる原因は他にもあります。
- 強い日差しによる一時的なしおれ
- 青枯病、萎凋病などの病気
- 水不足
一時的なしおれなら涼しい時間帯があれば回復します。
病気の場合は、日中にしおれて夜間に回復を数日繰り返した後、株全体が枯れてしまうなどの特徴的な症状があります。
水不足の場合は水やりをしてしばらくすると回復します。
特に思い当たることがなく、花落ちなどの他の症状も出ている場合は高温障害と考えることができます。
我が家では、葉だけでなく茎もしおれ、全体的にくたっとした印象になりました。水やりは十分に行なっており、病気の症状は出ていないため、異常な暑さが一番大きな原因だと思います。
上段の新しい葉ほど小さく縮れたようになり、生育の勢いが落ちたように感じました。
茎も全く伸びなくなったわけではありませんが、ここまで1日に5cm10cm伸びていた勢いはなくなりました。
高温障害を防ぐために実際にやったこと
高温障害を完全に防ぐことは難しいものの、暑さによるダメージを減らす工夫はできます。
ここでは、実際に私が行った対策を紹介します。
サンシェードを設置して遮光・遮熱をする
今年は猛暑日が続くようになってから、ベランダにサンシェードを設置しました。
気温そのものを下げることは不可能ですが、強い日差しを防ぐだけで体感的にかなり暑さが和らいだように感じました。
今思えば、あと1週間ほど早く設置しても良かったかもしれません。とはいえ、今年は梅雨明けが遅かったため、「いつ設置するか」は難しい判断でした。
ミニトマトには日当たりも大事です。ガーデニングに使うなら、暗くなりすぎないサンシェードが向きます。
私が購入したのは山善の日よけシェード(涼風タイプ)です。強すぎる真昼の日差しを適度に防いでくれます。遮光率は70%ほどで、風が通るのもポイントです。
これをベランダに設置してから、エアコンなしで室温が約2°C下がりました。ガーデニングだけでなく、冷房効率も高めてくれます。
賃貸でもサッシに使うフックや、物干し竿に固定することで設置できます。
朝夕2回、水やりをする
猛暑になると、朝だけでは鉢がすぐ乾いてしまうようになりました。
そのため、朝だけでなく夕方にも水やりをするようになりました。
真夏は気温だけでなく、極度の乾燥や常に湿った状態も株への負担になるため、土の状態を見ながら調整することが大切です。
水やりの基本はこちらに詳しく書いています。
不織布鉢で気付いたこと
不織布鉢で育てているため、鉢の側面からも土の湿り具合を確認できました。
4月に植え付けた「甘っこ」は鉢の下までしっかり乾いていましたが、6月から育て始めた「サマー千果」は、下半分がいつも湿っている状態でした。
水やりは「表面が乾いたらたっぷり」がセオリーなので、同じように水をあげていますが、少し気になる状態です。
植え付け時期が遅かったため、暑くなる前に十分根を張れなかったのかもしれません。
オフシーズンや引越し時の処分を考えて選んだ不織布鉢でしたが、鉢の中の湿り具合がわかるのは意外な収穫でした。
ミニトマトならこちらのような、5ガロンサイズがおすすめです。
葉水をする
葉に水をかける「葉水」をすることにより、株全体の温度を下げることが期待できます。
気温が高いと、根から吸い上げた水は、熱を下げるために葉から大量に蒸散されてしまいます。人間が汗をかくのと同じような効果です。
葉水はこの効果を肩代わりしてあげるイメージです。
葉水には、暑くて雨の少ない時期に発生しやすい「ハダニ」や「サビダニ」の予防・被害拡大防止にも役立ちます。
水やりのついでに、ジョウロやホースのシャワーで葉にも水をかけています。
実を早めに収穫する
高温障害の症状が出てから、実を早めに収穫しています。
高温障害のミニトマトはとてもストレスがかかっている状態です。実を早めに取ることで、株を少し楽にしてあげるのが狙いです。
木につけたまま完熟させたミニトマトが家庭菜園の醍醐味ですが、こうも暑いと外で色づくのを待つのも時間がかかります。
リコピンが生成される適温に近い、室内で追熟させる方が早く赤くなるのでは?と考えています。
ミニトマトの追熟についてはこちらに詳しく書いています。
※リンク先記事では真っ青なミニトマトを追熟させる実験をしていますが、高温障害対策として早めに収穫するなら、ある程度色づき始めた実を収穫する方が安心です。
摘心する

摘心も高温障害のストレスを減らす手段の1つです。
摘心とは、成長点(ミニトマトのてっぺん)を摘むこと。摘心するとミニトマトはそれ以上伸びなくなり、今ついている実に栄養を集中することができます。
今回10段目まで花がついている株は摘心を行いました。これにより、今ついている実と、今ある花から着果する実の収穫が終わったら栽培終了になります。
本当は何段目まで収穫できるのかチャレンジしたい気持ちもありましたが、高温障害による実の変形が目立つようになり、これ以上実をつけさせても美味しい実の収穫は難しいと判断しました。
摘心の注意点はこちらの記事でも書いています。
はっきり言って、対策は難しい
ここまでたくさんの対策をしてきましたが、外で栽培している以上、気温そのものを下げることはできません。
サンシェードの設置で直接的な熱はかなり和らぎましたが、日陰でも気温35°C以上。下手をしたら40°Cに迫る日もありますよね。
熱帯夜(夜温25°C以上)が続くと人間だけでなく、ミニトマトも消耗するそうです。こちらはもはや対策不可能と感じています…。
「暑くなったら室内に取り込めば良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、2m近くまで育った大きな株を取り込むのは現実的ではありません。また、室内では日照不足になってしまいます。
来年育てるなら、
- 2本立てにし、本格的に暑くなる前に収穫を終える
- 矮性ミニトマトの室内栽培にチャレンジ(補助照明も必要?)
- 暑くなったら諦める!
など、根本的にやり方を変えないといけないかも、と感じています。
高温障害と間違えやすい症状との見分け方
高温障害はウイルスや菌が原因になるようなミニトマトの病気ではありません。
「高温障害かな?」と思っていたら病気だった、というケースもあるため、病気の症状もあわせて確認しておくと安心です。
| 比較項目 | 高温障害 | 青枯病 | 萎凋病 | 水切れ |
|---|---|---|---|---|
| 主な原因 | 猛暑・高温 | 細菌 | カビ(糸状菌) | 水不足 |
| 症状の出方 | 花・葉・実など複数に症状が出る | 日中に急激にしおれ、夜間に回復する 茎の断面の変色 | 下葉から徐々に黄化・日中にしおれる 茎の断面の変色 | 葉や茎のしおれ、花落ち |
| 進行 | 急激に悪化することは少ない | 数日で急激に悪化 | 徐々に進行する | 水やりで回復することが多い |
| 回復する? | 暑さ対策で改善する場合がある | 数日で枯れる | 数週間かけて枯れる | 水やりで回復することが多い |
| 実にも症状が出る? | ○(実が落ちる・白濁・変形・着色不良など) | △ | ⚪︎(実が育たなくなる、実が落ちる、実がつかない) | ⚪︎(花や小さい実が落ちることがある) |
| 対策 | 日よけなどの暑さ対策 | 感染株を抜き、感染を広げない | 感染株を抜き、感染を広げない | 水やりの頻度を調整する |
高温障害の場合、はっきりした症状が特定の場所に出るというより、「複数箇所にぼんやりした症状が出ている」「なんとなく生育が悪くなってきた」と感じられる場合も多いです。
よくある質問
- 高温障害になったミニトマトを元に戻すことはできますか?
-
一度落ちた花や変形した実は元に戻りませんが、暑さが落ち着けば新しく咲く花や実は正常に育つことも多いです。
- 高温障害で変形・白濁した実は食べられますか?
-
傷みや腐敗がなければ食べても問題ありません。
- 気温何℃くらいから高温障害になりますか?
-
日中の気温35°C以上になると実がつきにくくなったり、花落ちしやすくなります。また、夜間25°C以上が続くとエネルギー消耗により株が弱りやすくなります。
40°C前後になると、株全体の生育が止まったり枯れてしまうこともあります。
- 遮光ネットやサンシェードは意味がありますか?
-
遮光することで温度を下げることができます。体感でもかなり涼しく感じました。
ただ、一度症状が出てしまった部分が元に戻ることはありません。症状が出る前に対策することをおすすめします。
まとめ
ミニトマトの高温障害では、
- 花が落ちる
- 葉がしおれる・縮れる
- 実が赤くなりにくい
- 白濁や変形した実が増える
といった症状が現れることがあります。
私のミニトマトも、猛暑日が続いたタイミングでこれらの症状が一気に現れました。
完全に防ぐことは難しいものの、遮光や水やりなどの対策で株への負担を減らすことはできます。
暑さが厳しい時期は株の小さな変化にも目を向けながら、無理をさせない管理を心掛けてみてください。





