卵の殻は肥料になる?カルシウム効果と失敗しない作り方・使い方を解説

卵の殻_肥料

「卵の殻が肥料になるって本当?」

「安くて手軽そうだけど、作り方が知りたい」

卵の殻にはカルシウムが含まれているので、トマトやミニトマトの尻腐れ対策に使えるのでは?と思う人も多いと思います。

結論から言うと、卵の殻はカルシウムを含む資材として使えます。

ただし、卵の殻をそのまま撒いたからといって、すぐに植物がカルシウムを吸収できるわけではありません。一方で、「すぐ溶けないから無意味」とも言い切れません。

家庭菜園では、卵の殻を「すぐ効くカルシウム肥料」ではなく、「じっくり使う土づくり素材」として考えるのが現実的だと思います。

この記事では、実際に私がやっている卵の殻肥料の作り方や、カルシウム効果、ミニトマトの尻腐れ対策に使えるのかまで解説します。

目次

卵の殻は肥料になる?カルシウム資材としての効果

卵の殻は、肥料として使えないわけではありません。

卵の殻の主成分は炭酸カルシウムです。カルシウムは植物にとって必要な成分で、根や新芽、果実の生育にも関係しています。

炭酸カルシウムの微粉末は、土壌改良資材として販売されています。

ただし、ここで注意したいのは「成分が同じ=同じ効果がある」とは限らないということです。成分は同じでも、製法や粉の細かさによって効果は変わるからです。

卵の殻は「これを撒けば野菜が元気になる!」というより、家庭で低コストで作れて、土の中でじっくり分解されていく資材として考えるのがちょうどいいと思います。

卵の殻が肥料にならないと言われる理由

卵の殻について調べると、「肥料になる」という意見もあれば、「意味がない」という意見も出てきます。

この違いは、卵の殻をどう使うか、どのくらいの効果を期待するかで変わってきます。

そもそも”肥料”ではない

卵の殻は窒素・リン酸・カリのように、植物をぐんぐん育てる肥料ではありません。

家庭菜園で「肥料」というと、葉を茂らせたり、花や実をつけたりする効果を期待しがちです。でも、卵の殻(カルシウム)はそういうタイプの肥料ではありません。

ないと病気になりやすくなるけれど、カルシウムがたくさんあっても、ものすごく植物が早く育つわけではありません。これは人間にとってのミネラルやビタミンの位置付けと同じです。

卵の殻は一般的にイメージされる肥料ではなく、カルシウムを含む土づくりの補助資材(土壌改良剤)と考えた方が良さそうです。

そのまま撒くと分解されにくい

卵の殻は、生ゴミや落ち葉のようにすぐ分解されるものではありません。

大きな欠片のまま土に入れると、かなり長く形が残ることがあります。ネット上でも「何年も前に撒いた卵の殻が、そのまま土の中から出てきた」という話を見かけます。

私自身、祖母が卵の殻を含む生ゴミをそのまま畑の隅に撒いているところを見ていました。今でいうコンポストのような発想です。生ゴミはミミズなどの小動物や微生物の力で少しずつ分解され、畑の肥やしになります。しかし、卵の殻は比較的最後まで分解されずに残っていた印象です。

卵の殻は主に炭酸カルシウムなので、微生物がどんどん食べて分解するというより、土の酸などの影響を受けながら、ゆっくり変化していくものです。

そのため、卵の殻を使うなら、そのまま撒くよりも、できるだけ細かく砕いた方がよいです。

市販の炭酸カルシウム資材ほど細かくない

たしかに、炭酸カルシウム粉末は肥料や土壌改良材やカルシウムを補う肥料として使われています。

ただし、市販の炭酸カルシウム資材はかなり細かく粉砕されています。商品によっては、粉がかなり細かいために少しの風で舞い上がるほどです。

家庭で卵の殻を袋に入れて砕いた程度では、そこまで細かくするのは難しいです。

つまり、同じ炭酸カルシウムだからといって、家庭で砕いた卵の殻が市販の石灰資材と同じように効くとは考えにくいです。

すぐ溶けない=無意味ではない

「卵の殻はすぐ溶けないから意味がない」と言い切るのも少し違うと思っています。

たしかに、カルシウムとしてすぐ植物に吸収されるかというと、かなり微妙です。

でも、細かく砕いた殻そのものが土の中に残ることで、土壌改良材のように働く可能性はあります。卵の殻は多孔質なので、土の中で微生物や小さな生き物の足場になるかもしれません。また、通気性や水はけをよくする効果もあるかもしれません。

「すぐカルシウムとして効かない=完全に無意味」と考えるより、さまざまな効果を期待しながら、じっくり土に戻していく素材として見る方が現実的だと思います。

家庭菜園 × 微生物が気になっている方は、こちらもどうぞ。

卵の殻肥料の作り方【電子レンジ+トースターで簡単】

私がやっている卵の殻肥料の作り方を紹介します。

私は天日干しで乾燥させる代わりに、電子レンジで加熱したあと、オーブントースターで焼いています。こうすると殻がパリッとして、すり鉢がなくても潰しやすくなります。

天日干しの時間を省略したい方、干すスペースがない方におすすめの方法です。

1. 卵の殻を洗う

まず、卵の殻を水で洗います。

卵白や汚れが残っていると、においや虫の発生の原因になりやすいので、軽く洗っておきます。

薄皮は無理に全部取らなくてもよいですが、焼いた時に焦げるのが気になる場合はなるべく取っておきます。

洗った卵の殻
洗った卵の殻

2. 電子レンジで軽く加熱する

洗った卵の殻を、電子レンジで軽く加熱します。

ここである程度水分を飛ばしておくと、次の工程で焼きやすくなります。

加熱時間は卵の殻の量やレンジによって変わるので、様子を見ながら短時間ずつ加熱してください。

私の場合は500Wで1分半程度加熱しています。

3. オーブントースターで焼く

電子レンジで加熱したあと、オーブントースターで軽く焼きます。

焼くと卵の殻がパリッとして、かなり砕きやすくなります。この方法だとすり鉢や袋を使わず、スプーンだけでもある程度細かく潰せます。

ただし、焦がしすぎるとにおいが出るので、様子を見ながら加熱してください。

わたし

低めのワット数でじっくり焼くのがおすすめです。

卵の殻がうっすら色づいたら焼き上がりの合図です。

卵の殻の焼き色目安
焼き色の目安

途中でじれったくなってワット数を上げたら、焦げてしまいました。

少し焦げた卵の殻
少し焦げてしまいました

なお、一部が焦げたものを土に使っても大きな問題はないと考えられます。炭(完全に焦げ切った炭素の塊)も園芸用の土壌改良剤として使われているくらいですからね。

4. スプーンで細かく砕く

焼いた卵の殻が冷めたら、スプーンで細かくなるまで砕きます。

スプーンで大まかに卵の殻を砕く
スプーンで卵の殻を砕いている途中
スプーンで卵の殻を細かく砕いた様子

最初は大まかに砕き、少しずつ細かくしていきます。力が強すぎると、卵の殻が滑って容器から飛び出してしまうので注意してください。

スプーンだけでは難しい場合は、ビニール袋に入れると砕きやすくなります。

ビニール袋を使って卵の殻を砕いた様子
ビニール袋を使って砕いた様子(別の殻です)

粉末のようにするのは難しいですが、できるだけ細かくした方が土に混ざりやすくなります。

卵の殻肥料の使い方|土に混ぜる・株元に撒く・コンポストに入れる

卵の殻肥料は、すぐ効く肥料として使うより、土づくりの補助として使うのが向いています。

株元に撒く

一番手軽なのが、そのまま株元に撒く方法です。

ミニトマトの株元に卵の殻を撒いた様子

株元に撒いた後、私は軽く土を被せます。

卵の殻に土入れで土を被せている様子
卵の殻に半分くらい土を被せた様子

土を被せずそのままでも植物にとって大きな問題はないのですが、見た目の問題と、ナメクジ等が卵の殻を舐めに来るのを防ぐ目的もあります。

土に混ぜて使う

土全体に混ぜ込んでしまうこともできます。植え付け前の土や、再利用する土に少量混ぜておくと、卵の殻が土の中に入りやすくなります。

株元に撒くだけより、土全体に行き渡りやすいのがこの方法のメリットです。

ただし、入れれば入れるほど良いというわけではありません。一度混ぜ込んだ卵の殻はあとから取り除くのが難しいため、最初は卵1〜2個分など、少なめから入れましょう。

コンポストに入れる

コンポストをしている人なら、卵の殻をコンポストに入れるのもよいと思います。

その場合も、洗って乾かし、できるだけ細かく砕いてから入れると扱いやすいです。

大きな殻のままだと残りやすいので、土に混ぜるときと同じく、細かくしておくのがおすすめです。

卵の殻のカルシウムはミニトマトの尻腐れ対策になる?

卵の殻とカルシウムの話で気になるのが、ミニトマトやトマトの尻腐れ対策です。

尻腐れはカルシウム不足と関係があると言われるため、「卵の殻を撒けば予防できるのでは?」と思う人もいると思います。

予防の土づくりとしては使える可能性がある

卵の殻にはカルシウムが含まれているので、長期的な土づくりとしては使える可能性があります。

ただし、家庭で砕いた卵の殻が、今年のミニトマトにすぐ効くとは考えにくいです。

卵の殻は、

  • 酸性雨や土壌の酸性成分
  • ミニトマトの根から出る根酸
  • 土壌中の昆虫類・微生物による分解

などを通して、年単位でゆっくりと分解されていくもの。

すでに実がついている時期に卵の殻を撒いても、そのカルシウムがすぐ植物に吸収され、尻腐れを止めてくれるとは期待しない方がよいと思います。

すでに尻腐れが出ているなら市販のカルシウムスプレーの方が現実的

すでにトマトやミニトマトに尻腐れの症状が出ている場合は、卵の殻でどうにかしようとするより、すばやく吸収されやすい市販のスプレーを使った方が現実的です。

尻腐れ予防スプレーには水溶性カルシウムが含まれています。花房や葉面にスプレーすることで、スムーズなカルシウム補給が期待できます。

ただ、尻腐れ予防スプレーは、これから育つ実に症状を広げないための対策になります。黒くなってしまった実を元に戻す方法ではありません。

また、尻腐れは土の中のカルシウム不足だけでなく、水切れ、肥料のやりすぎ、根の傷みなどでも起こります。高知県の病害虫・生理障害台帳でも、トマトの尻腐れ対策として、カルシウム資材だけでなく、土壌の乾燥を避けることや肥料バランスの見直しが挙げられています。

スプレーの利点は、根が疲れていても吸収されやすいことです。そのままスプレーするだけで簡単にカルシウム対策ができます。

スプレーと同時に、水やりや肥料の量もあわせて見直すことが大切です。

ミニトマトの水やりで初心者がやりがちなミスはこちらに書いています。

卵の殻を酢に漬けるカルシウム液肥は効果がある?

ネットでは、卵の殻を酢に漬けて、水溶性カルシウムとして使う方法も見かけます。

卵の殻の炭酸カルシウムを酢酸で溶かし、酢酸カルシウムとして使うという考え方です。理屈としては分かりますし、実際に食酢に卵殻を溶かして作ったカルシウム肥料も市販されています。

ただ、私はこの方法はまだ試していません。

理由は、家庭で作る場合、本当に有効なカルシウム濃度なのかが分かりにくいからです。

酢をそのまま散布すると植物にとっては強すぎます。だから、ネットでは200〜300倍に薄める方法が紹介されていることが多いです。でもその濃度でカルシウムとして十分なのか、家庭菜園では判断しにくいと感じています。

酢自体にも植物を多少活性化させたり、病気予防効果があります。このこと自体は良いことなのですが、問題は、「カルシウムの補給効果が現れた」のか、「酢による活性効果」なのか見分けがつきにくいことです。

わたし

夏休みの自由研究で対照実験したら面白いかもです

酢に漬ける方法は効果があるかもしれないけど、カルシウムの効果がわかりにくい。また、焼いて砕くだけよりも手間もかかります。

私は今のところ、細かく砕いて土に戻す使い方をしています。

卵の殻はナメクジよけになる?害虫対策としては期待しにくい

卵の殻を撒くと、ナメクジよけになるという話もあります。殻のギザギザした部分をナメクジが嫌がる、という理屈です。

ただ、ナメクジよけ効果はあまり期待しない方がよいと思います。

実際、私は卵の殻を撒いた次の日、その上をナメクジが這い回っているところを発見しました。RHSの実験でも、砕いた卵の殻などをレタスの周りに置いて比較していますが、このような物理的バリアで食害の減少は見られなかったそうです。

むしろ、カルシウムを求めてナメクジなどが卵の殻に寄ってくる可能性もあります。種類によりますが、ナメクジは体内に殻を持っているため、雨の日などにコンクリートなどを舐めてカルシウムを補給する習性があります。

卵の殻を食べにきたのかどうかはわかりませんが、ナメクジが卵の殻の上を這っているところは確認済みです。その後、これ以上ナメクジを寄せ付けないために、卵の殻に土を被せたりと試行錯誤をしています。

卵の殻にナメクジが寄ってくるのが気になる場合は、駆除剤を撒くなどの対策が無難です。

卵の殻肥料を使うときの注意点

卵の殻肥料を使うときは、いくつか注意点があります。

すぐ効く肥料だと思わない

卵の殻は、即効性のある肥料ではありません。

カルシウムを含んでいても、すぐ植物が吸収できる形になるわけではないので、急いで効果を出したいときには向きません。

大きい欠片のまま入れない

卵の殻は、大きい欠片のままだと土の中に残りやすいです。

使うなら、できるだけ細かく砕いてからにした方がよいです。

入れすぎない

卵の殻は家庭で出るものなので、つい気軽にたくさん撒きたくなります。

でも、入れすぎた!と思った後に取り除くのはかなり面倒です。

特に鉢やプランターでは土の量が限られているので、少量ずつ使うのが安心です。目安としては卵1〜2個ぶんから様子を見ながら追加するのがおすすめです。

酸性を好む植物には注意する

卵の殻は炭酸カルシウムを含むため、土の酸度に影響する可能性があります。

ブルーベリーのように中性〜酸性を好む植物には、あえてたくさんは入れない方がよいと思います。

ただし、卵の殻は急に溶けるような物質ではありません。微粉末にしたものを多量を入れたりしない限りは、土壌がアルカリ性に傾くことは考えにくいです。

ナメクジよけ目的では使わない

卵の殻を害虫よけとして使うのは、あまり期待しない方がよいです。

むしろカルシウムを求めるナメクジが寄ってくる可能性もあります。

ナメクジを防ぎたい場合は、卵の殻よりも、湿気をためない管理や、被害が出やすい場所の見直しをした方が現実的です。

卵の殻を撒いた後のナメクジが気になる場合は、忌避剤や駆除剤の使用も選択肢の1つです。

まとめ|卵の殻は即効性より、ゆっくり期待する肥料・土づくり素材

卵の殻は、カルシウムを含む資材として家庭菜園に使うことができます。

ただし、卵の殻をそのまま撒いても、すぐに分解されて植物に吸収されるわけではありません。

特に、ミニトマトの尻腐れを今すぐどうにかしたい場合には、卵の殻では遅いと思います。すでに症状が出ているなら、市販のカルシウムスプレーやカルシウム資材を使った方が現実的です。

一方で、「卵の殻はすぐ溶けないから無意味」とも言い切れません。

細かく砕いた卵の殻が土の中に残ることで、土壌改良材のように働く可能性もあります。微生物や小さな生き物の足場になるかもしれません。

家庭菜園では、卵の殻を即効性のあるカルシウム肥料としてではなく、家庭で出る殻をゆっくり土に戻していく素材として使うのがちょうどよいと思います。

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ミニトマトの病気対策がもっと知りたい方はこちらも。

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この記事を書いた人

アラサー主婦。夫と二人暮らし。
暮らしを自分に合わせて最適化していくのが好き。
満足度を下げない家計管理と、NISA(インデックス・高配当株)での「コツコツ資産運用」が日課です。
ベランダ菜園やセルフケア、お金の育て方など、実際に試して分かった「無理のない等身大の選択」を発信しています。

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