ローズマリーの挿し木は、正しい時期とやり方を守れば成功率9割以上が狙えます。
この記事では、ローズマリーの挿し木の具体的なやり方を、水差しでの発根方法から土への移し替えまで順番に解説します。挿し木が失敗する原因と対処法、増やし方のコツも合わせてお伝えします。
特別な道具は不要。水と瓶があればすぐ始められます。わたし自身、この方法で成功率9割以上をキープしています。
ローズマリーの挿し木を成功させる3つのコツ
①時期を守る
ローズマリーの挿し木に最適な時期は4〜6月(春〜初夏)と9〜10月(秋)です。気温15〜25℃の範囲が発根しやすく、梅雨・秋雨の時期に重なることで植え付け後も水切れしにくいのでおすすめです。
以下の時期は失敗しやすいので避けましょう。
- 真夏(7〜8月):気温が高く水切れしやすい。枝が腐りやすい
- 真冬(12〜2月):植物の生長が止まり、根が出にくい
②元気な親株の、緑枝を選ぶ
弱った株からの挿し木は失敗のもとです。根を出すエネルギーが不足しているためで、親株がさらに弱る原因にもなります。
ローズマリーが弱る主な原因は以下の通りです。挿し木前に親株の状態を確認してください。
- 根詰まりしている
- 土の水はけが悪い
- 日当たりが悪い
- アブラムシなどの害虫被害
また、木質化(木のようになった)した部分よりも、若い細胞が多い緑枝を選ぶ方が根が出やすいです。
③水差しで発根を確認してから土に移す
挿し木には「最初から土に挿す方法」と「水差しで発根させてから土に移す方法」の2通りがあります。ローズマリーの挿し木には水差し先行型をおすすめします。
土に挿す方法は発根を確認できないため、気になって掘り返して根を傷つけてしまうケースが多いです。ガラス瓶など、透明な容器に水差しすれば毎日発根状況を確認できて安心。
- 発根しているか毎日確認できる
- 水切れの心配がない
- 水換えで清潔に管理できる
- 気温が安定した室内で管理できる
ローズマリーの挿し木に必要なもの
必要なもの
- 清潔なハサミ
- 花瓶または空き瓶
- 挿し木用の新しい土
以上の3点だけです。特別な道具は必要ありません。
ハサミについて 普通のハサミだと枝を潰してしまうことも。切れ味の良い園芸用ハサミがおすすめです。
万能ハサミは手に馴染みやすく、必要十分な切れ味があります。
植物の病気を媒介しないために、使うたびに消毒してください。(除菌ウェットシートでOK)
土について 発根後に植え替えるための土は、必ず新しいものを使ってください。古い土(未消毒)は雑菌が多く、切り口から感染して失敗の原因になります。
水はけと水持ちのバランスが重要です。赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものが適していますが、配合が手間な場合は挿し木専用土が便利です。
挿し木に適した枝の選び方
木質化していない、茎が白〜黄緑の枝を選んでください。
木質化とは茎が木のように茶色く硬くなった状態のことです。木質化した部分は発根しにくいため、ローズマリーの挿し木には向きません。


根元が木質化していても、切り取る先端部分が黄緑であれば問題ありません。
- OK:先端部分の茎が黄緑(白)のもの
- NG:茎が茶色く木質化しているもの
「木質化した枝しかない」という場合は、挿し木の時期を見直すか、親株の剪定で新しい若い枝を出させてから挿し木しましょう。
ローズマリーの挿し木のやり方(水差し)
やり方はたったの3ステップです。
①茎の先端5〜10cmを切る
清潔なハサミで、ローズマリーの先端から5〜10cmを切り取ります。このとき、わき芽の上で切ると親株がまた茂りやすくなります。
切り口は斜めにカットすると、水を吸い上げる面積が増えて発根しやすくなります。
②水に浸かる部分の葉を取り除く
水に浸かる部分に葉がついていると水が汚れやすくなります。下半分の葉は手またはハサミで取り除いてください。
手で取る場合は、茎の皮まで剥けないよう注意してください。皮が大きく剥けると茎が腐りやすくなります。
③花瓶や空き瓶に挿して水を入れる
瓶に挿して水道水を入れたら、あとは根が出るのを待つだけです。
水の管理について
- 水が濁ったり藻が生えてきたら水を換える
- 水が透明な場合は減った分を足すだけでOK
- 毎日換える必要はない
置き場所 直射日光の当たらない明るい窓際に置いてください。直射日光が当たると水が煮えてしまいます。
発根までの目安 早ければ1週間ほどで根が出始めます。なかなか根が出なくても、枝が腐っていなければ発根する可能性があります。2〜3週間は気長に待ちましょう。腐った枝や枯れた枝は気がついたら取り除いてください。
水の管理はあまり神経質にならなくて大丈夫です。筆者の体験では「花瓶に飾っていたらいつの間にか発根していた」みたいなパターンが一番成功率が高かったですよ。
【注意】発根促進剤(ルートン)はローズマリーに使わないこと
発根促進剤を使うと植物ホルモンの作用で発根しやすくなりますが、「食用作物には使用しないこと」という注意書きがあります。
ローズマリーはハーブティーや料理の香り付けにも使う食用ハーブです。安全のために発根促進剤の使用は避けてください。
食用として使わない場合は使ってもOKです。
メネデールは挿し木の発根効果がある?
植物活力剤のメネデールには発根効果はありません。
筆者も水差しで使ってみて、使っていないものと比較してみましたが、発根の早さ・発根しやすさについて違いは感じられませんでした。
ただ、土に差してからはメネデールを使ったものの方が定着がいい(成長が安定する)雰囲気がありました。土への定着が安定する印象があったので、植え替えのタイミングで使ってみてもいいかもしれません。
発根後の管理|水差しから土への移し替え方
根が出たらすぐに土に植え替える
根が出始めたら、なるべく早く土に植え替えてください。
水差しで出た根と土の中で育つ根は性質が異なります。水差しの根は低酸素環境に適応しており、水中では水を吸い上げすぎないよう調整しています。長く水差しのままにしておくと土への適応が遅れるため、根が1〜2cm出た段階で植え替えるのがベストです。
植え替えの手順
- 3〜4号ポットに挿し木用の新しい土を入れる
- 割り箸などで土に穴を開け、根を傷つけないようにそっと挿す
- 土を軽く押さえ、たっぷり水をやる
植え替え直後に萎れても慌てない
土に植え替えた直後は、葉が萎れることがあります。これは水差しの根が土での水の吸い上げにまだ慣れていないためで、正常な反応です。
日陰〜半日陰に置いて様子を見てください。数日で回復することがほとんどです。数週間経っても回復しない場合は、根腐れや水切れを疑ってください。
土を乾かしすぎない
植え替え直後は根がまだ少なく、水を吸い上げる力が弱い状態です。土の表面が乾いたらたっぷり水をやってください。
ローズマリーは本来乾燥気味を好む植物ですが、根付くまでの間は乾かしすぎないよう注意が必要です。
根付くまでは日陰〜半日陰で管理する
ローズマリーは日当たりを好みますが、根付くまでは直射日光を避けてください。葉や土からの水分蒸発が抑えられ、水切れのリスクが下がります。
根付いたタイミングの見分け方
植え替え後に新しい芽や茎が伸び始めたら、根付いたサインです。上部が成長している=根が土に定着していると判断できます。
根付いた後も、市販の苗と同程度の大きさになるまでは鉢またはポットで管理することをおすすめします。小さいうちに地植えすると雑草に負けやすいためです。
ローズマリーの挿し木が失敗する原因と対処法
枝が腐ってしまった
原因
- 水に浸かる部分に葉が残っていた
- 木質化した枝を使った
対処法 腐った枝は復活しません。すぐに取り除いてください。残りの枝が腐っていなければ、水を換えて様子を見ましょう。再発を防ぐため、水に浸かる部分の葉が残っていないか確認してください。
枝が枯れてしまった
原因
- 真夏・真冬など適切でない時期に挿し木した
- 親株が弱っていた
- 直射日光に当てすぎた
対処法 枯れた枝も復活しません。時期と親株の状態を見直してから改めて挿し木してください。
なかなか根が出ない
原因
- 気温が低い
- 木質化した枝を使った
- 枝の切り口が斜めになっていない
対処法 枝が腐っておらず、葉も青々としているなら発根する可能性があります。2〜3週間は様子を見てください。それ以上経過しても変化がない場合は、新しい枝で挿し木をやり直すのが確実です。
土に移した後に枯れてしまった
原因
- 根が十分に育っていない段階で土に移した
- 植え替え後に土が乾きすぎた
- 植え替え後すぐに直射日光に当てた
対処法 植え替え直後は日陰〜半日陰に置き、土の表面が乾いたらすぐ水をやってください。植え替えのタイミングは根が1〜2cm出た段階が目安です。早すぎても遅すぎても失敗しやすくなります。
よくある質問
ローズマリーの挿し木に適した時期はいつですか?
4〜6月(春〜初夏)と9〜10月(秋)がベストです。気温15〜25℃の範囲であれば発根しやすい状態です。真夏と真冬は失敗しやすいので避けてください。
水差しから土に移すタイミングはいつですか?
根が1〜2cm出た段階が目安です。それ以上水差しのままにしておくと、土への適応が遅れます。
根が出るまで何週間かかりますか?
早ければ1週間ほどで根が出始めます。気温や枝の状態によって異なりますが、2〜3週間が目安です。枝が腐っておらず葉が青々としているなら、3週間以上かかることもあります。気長に待ちましょう。
水差し中の水は毎日換える必要がありますか?
毎日換える必要はありません。水が濁ったり藻が生えたときに換えてください。水が透明な場合は減った分を足すだけで十分です。
ミントやラベンダーなど他のハーブにも同じやり方で挿し木できますか?
同じやり方でラベンダーの挿し木にも成功しています。ミントは水差しでの発根が非常に簡単で、ローズマリーより短期間で根が出ます。基本的な手順はハーブ全般に応用できます。
発根促進剤(ルートン)は使っていいですか?
ローズマリーを食用(ハーブティー・料理)に使う場合は避けてください。発根促進剤には「食用作物には使用しないこと」という注意書きがあります。食用として使わない場合はこの限りではありません。
まとめ
ローズマリーの挿し木は、時期と手順を守れば成功率9割以上が狙えます。
成功のポイントをおさらいします。
- 時期は4〜6月または9〜10月。真夏・真冬は避ける
- 元気な親株から木質化していない黄緑の枝を選ぶ
- 水差しで発根させてから土に移す
- 根が1〜2cm出たらすぐに土に植え替える
- 植え替え後は日陰〜半日陰で乾かしすぎないよう管理する
特別な道具は不要です。水と瓶と清潔なハサミがあれば今すぐ始められます。
ローズマリーはうまく増やせると、生垣・ハーブティー・料理・ポプリとさまざまな使い方ができます。筆者は2年前に増やしたローズマリーの生垣が完成しつつあります。ぜひ挑戦してみてください。



