オルトランはミニトマトには使えません。正確には、2014年以降に登録が取り消されています。
知らずに使っていた、という方も多いのではないでしょうか。私もそのひとりでした。数年前、おばあちゃんから譲り受けた古いオルトランをミニトマトに使ったのですが、後から調べて初めてアウトだったと知りました。パッケージにはちゃんと「ミニトマト」と書いてあったのに、です。
この記事では、以下のことをまとめています。
- オルトランがミニトマトに使えなくなった理由
- 同じオルトランでも商品によって扱いが異なる理由
- マグァンプDがミニトマトに使えるのはなぜか
農薬のルールは思っていたより複雑で、調べれば調べるほど「え、そうなの?」の連続でした。同じように疑問を持った方の参考になれば幸いです。
なぜオルトランはミニトマトに使えなくなったのか
オルトランの有効成分はアセフェートです。2014年に残留農薬の評価方法として「短期暴露評価」という新しい基準が導入され、この評価をクリアできなくなったことが理由です。
短期暴露評価とは、一度に大量に食べた場合でも安全かどうかを評価するものです。ミニトマトは皮ごと、しかも一度にたくさん食べることが多い野菜です。その食べ方を前提に評価し直したところ、基準を満たせなくなりました。
個人的には「ベランダ菜園で1〜2株育てているだけの自分には関係ないかも?」とも思ったのですが、登録を取り消されたので、安全のために使わないようにしようと思います。
調べたら余計ややこしくなった
オルトランがミニトマトに使えないとわかってさらに調べてみると、話はもっと複雑でした。
「オルトラン」という名前の農薬でも、商品によってミニトマトへの登録が維持されているものと、取り消されているものがあるんです。同じ有効成分、同じ商品名なのに、です。
農薬の登録は「有効成分×作物×商品」の組み合わせで個別に管理されているため、こういうことが起きます。おばあちゃんのオルトランが具体的にどの商品だったのか、今となっては確認のしようもありません。
「同じ成分なら安全性(危険性)も同じなんじゃないの?」「農薬の登録って、本当に安全性が基準になっているの??」と、素人の私はかなり混乱しました。
農薬には有効期限がある
「家にある古いオルトラン、まだ使えるかな?」と思って調べている方もいるかもしれません。
農薬にはパッケージに「最終有効年月」が記載されており、メーカーが品質を保証する期限が定められています。一般的に未開封のオルトランで、製造から3〜4年の有効期限となっているようです。パッケージにミニトマトの記載があるものは、2014年の登録取り消し前にに購入されたものの可能性もあります。
おばあちゃんのオルトランはかなり古いもので、有効期限はとっくに切れていたはずです。パッケージには、適用作物として「ミニトマト」と書いてありました。
粉がサラサラしていたので使えると判断してしまったのですが、見た目では成分がどう変化しているかはわかりません。実際にオルトランを使った株ではカメムシの被害が明らかに少なかったので、効果はあったと思います。
期限切れの農薬が危険かどうかについては、公式の見解は「品質と効果が保証できない」というものでした。
個人的には、成分が分解して効果が落ちる方向に向かうのではないかと思っています。一方で、変質によって成分の濃度が想定外に高くなるといった可能性もゼロではないかもしれません。
素人判断で「見た目がサラサラだから大丈夫」と使ってしまったのは、あまり良くなかったなと反省しています。
じゃあマグァンプDはなぜ使えるの?
今年、ミニトマトにマグァンプDを使いました。土の消毒ができていないので、少しでも害虫に効くといいなと思いまして。元々は冬に室内にしまう観葉植物の土に使うつもりで購入したものですが、適用作物に「ミニトマト」とあるので、定植時に使ってみました。
マグァンプDは肥料と農薬が一体化した製品で、農薬成分としてはオルトランと同じネオニコチノイド系が使われています。同じ系統なのになぜこちらは使えるのか、気になって調べてみました。
理由は有効成分が違うからです。マグァンプDの有効成分はジノテフランで、オルトランのアセフェートとは別の成分として登録管理されています。系統が同じでも、有効成分が違えば登録の審査も扱いも別になります。
ルール上はそういうことなのですが、調べていくうちに別の疑問が出てきました。
ジノテフランって、安全なんでしょうか?
その話は長くなるので、別の記事にまとめます。
まとめ
農薬のルールは、思っていたより複雑でした。
パッケージに書いてある作物名を確認するだけでは不十分で、いつ購入したものか、どの商品のどのバージョンか、その後に法改正はなかったか、まで気にしないと正確にはわからない。なんとなく手元にあるものを使う、というのは私だけの話ではないと思います。
その疑問の続きは、次の記事にまとめています。


