「新NISAでインデックス投資を始めた。でも、今の生活が豊かになっている実感があまりない……」
「将来のためだけでなく、今使える現金収入(配当金)がもらえる高配当株にも挑戦してみたい」
そう考えている方は多いはずです。
実は、私もその一人でした。
そんな私が、あえてインデックス一本から高配当株との併用を選んだ理由はこちらの記事で詳しく書いています。
私は2025年末に高配当株投資の世界へ一歩踏み出したばかりの「ひよっこ高配当株投資家」です。
しかし、いざ始めてみようとすると、大きな壁にぶつかりました。
「指数にお任せのインデックスと違って、自分ひとりでどうやって銘柄を選べばいいの?」ということです。
利回りだけで選んでしまうと、株価が暴落したり、配当が突然なくなったりする「高配当株の罠」が潜んでいます。
実際、私も最初は配当の高さに目を奪われ、後から業績の不安に気づいて「これ、持ち続けて大丈夫かな……」と夜も眠れないほどヒヤヒヤする失敗を経験しました。
そこで、そんな怖がりな初心者の私が、安心して夜眠れるように作成したのが「高配当株選定チェックリスト」です。
「初心者だからこそ、守りを固めたい」
「長期投資前提で堅実な選び方をしたい」
そんな思いを詰め込んだ、私のリアルな選定基準を全公開します。
この記事を読めば、個別株が初めての方でも、「なんとなく」ではなく「根拠」を持って銘柄を選ぶコツがわかりますよ。
一緒に、一歩ずつ進んでいきましょう。
保存版!高配当株選定チェックリスト


私がここまで慎重にルールを決めたのは、5年間のNISA運用を通して『コツコツ続ける大切さ』と『リスク管理の重要性』を肌で感じてきたからです。
インデックス投資と違い、個別株は「自分で基準を持つこと」が最大の防御になります。
私が実際に銘柄を選ぶときにチェックしている5つのステップを紹介します。
① 稼ぐ力があるか?(成長性)
まずはビジネスが強いかどうかを確認します。
- 売上高・EPS(1株利益): 長期的に右肩上がりか?
- 営業利益率: 10%以上が理想(最低5%)。
利益が伸びていない企業は、いずれ配当を出す体力がなくなってしまいます。
② 会社は潰れないか?(安全性)
長期保有が前提なので、安定性は欠かせません。
- 自己資本比率: 50%以上。
- 流動比率: 200%以上。
借金が少なく、手元の現金が豊富な企業は、不況でも配当を維持してくれる「命綱」を持っています。
③ 配当の裏付けはあるか?(現金創出)
帳簿上の利益だけでなく、実際に「現金」が入っているかを見ます。
- 営業活動によるキャッシュフロー: 常にプラスで成長しているか。
- 現金が右肩上がりに積み増せているか
ここが赤字の企業は、貯金を切り崩して配当を出している可能性があるため注意が必要です。
④ 無理な還元をしていないか?逆に株主還元を軽視していないか?
利回りの高さだけで選ぶのは、一番危険なパターンです。
- 配当利回り: 高配当株なら3.5%以上はほしい
- 配当性向: 30%〜50%が適正。80%を超えると危険水域
- 配当方針についてホームページ上で言及がある。(累進配当だとベスト)
- 過去の配当実績が右肩上がりか(増配または配当維持を続けているか)
- 記念配当などによる一時的な高配当ではないか
利益のほとんどを配当に回している(配当性向が高すぎる)企業は、少しの業績悪化で「減配」するリスクが高まります。
また、会社が高配当を維持するつもりがあるかどうかも重要なので、必ず企業のホームページで配当方針をチェックします。
⑤ 割安なタイミングか?(株価の妥当性)
どんな優良株でも、高く買いすぎては意味がありません。
- PBR(株価純資産倍率):割安は0.5倍〜1.5倍程度。
- 過去のPBR推移から明らかに高くなりすぎていないか。
資産価値に対して、過熱しすぎていない「お得な価格」でエントリーしましょう。
利回りの高さに目がくらんだ「失敗談」
「利回りが高いから」という理由だけで銘柄を選ぶと、どうなるか。
私のヒヤヒヤ体験と、危機一髪で回避した事例をご紹介します。
【失敗】現金の流れを軽視したケース
以前、高配当に惹かれて購入した銘柄(ヤマハ発動機など)で、営業活動によるキャッシュフロー(本業で稼いだ現金)が赤字だったことがありました。
これは分析時点でも過去の営業CF推移を見れば、予測できたことです。
また、ヤマハ発動機は過去の配当実績を見ると減配をしていることもありましたが、現在の配当予想に惹かれて買ってしまいました。
誰もが知る大企業という安心感と配当利回りの高さに目が眩み、感情で判断してしまった部分があります。
その後、減配予想が出て株価も不安定になり、「配当がなくなるかも」という不安で毎日ヒヤヒヤする羽目に……。「現金(キャッシュ)は嘘をつかない」と痛感した出来事でした。

その後大幅減配は撤回され株価は反発しましたが、安心して長期で持ちたいという私のスタイルとこの銘柄は合わなかったな、と感じました。
実は、始めて1ヶ月目に他にもいくつか手痛い洗礼を受けています。その時のリアルな失敗と学びの記録も、反面教師として参考にしてみてください……。
【回避】自分の基準で「見送った」ケース
例えば、高配当株として有名な武田薬品。 利回りは非常に魅力的ですが、私のチェックリストに照らすと「配当性向」が非常に高く、利益以上に配当を出す「たこ足配当」に近い状態に見えました。
もちろん、企業の戦略として配当を維持している側面もありますが、「無理な還元はいつか限界がくる」と判断して私はスルーしました。結果として、自分なりの基準があったおかげで、納得感を持ってリスクを避けることができたのです。
教訓:数字の「裏側」を見よう
インデックス投資では「中身」を細かく気にする必要はありません。
一方、個別株では「その配当は、無理して出していないか?」をチェックリストで確認することが、心穏やかに投資を続ける秘訣です。
【補足】指標の「合格ライン」は業種によって変わる
前章で紹介したチェックリストは一般的な目安になりますが、株式市場には「その業種特有の数字の出方」があります。
一概に「数字が基準以下だからダメ」と切り捨てるのではなく、業種ごとの特性を考慮することがより深い分析に繋がります。
金融業:自己資本比率が低くても問題ない
銀行や証券などの金融業は、顧客から預かったお金(負債)を運用して利益を出すビジネスです。
そのため、一般的な製造業などに比べると自己資本比率が極端に低くなる(10%以下も珍しくない)傾向があります。金融株を見る際は、他業種と比較するのではなく「同業他社」や「過去の推移」と比較するのが一般的です。
リース業:営業CFが赤字になりやすい
リース会社は、多額の資金を投じて設備や機器を購入し、それを貸し出すことで利益を得ます。
商品の購入費用が「営業活動による支出」として計上されるため、本業が絶好調でも営業キャッシュフローが一時的にマイナスになることがあります。これはビジネスモデル上の特徴であり、直ちに危険を意味するわけではありません。
一部の優良リース会社は、投資家向けに「資産購入による流出を除いた実質的な営業CF」を算出しています。IR資料で「資金調達前キャッシュ・フロー」などの項目を探してください。
製造業:営業利益率は「5%」が一つの壁
製造業は工場や原材料などのコストがかかるため、ITやサービス業に比べると利益率が低めに出やすい業種です。
営業利益率10%を超えれば非常に優秀ですが、5%程度であっても業界内では標準的とみなされるケースも多いです。その分、参入障壁や設備投資の規模など、数字以外の強みを併せて見る必要があります。
インフラ・通信:自己資本比率が低めでも安定
NTTやKDDIなどの通信業や、電力・ガス会社は、基地局や発電所などの巨大な設備投資を必要とするため、借入金が多くなりがちです。
そのため自己資本比率が30〜40%程度と、目安の50%を下回ることが多いですが、景気に左右されにくい安定した収益基盤(ストック型ビジネス)があるため、一概に危険とは言えません。
商社:利益率の低さを「回転数」で補う
三菱商事や伊藤忠商事などの総合商社は、膨大な売上高に対して利益を乗せるビジネスモデルです。
そのため営業利益率は2〜3%程度と低く出やすいですが、投資先からの配当収入や、幅広い事業ポートフォリオによって高い配当維持能力を持っています。利益率の低さだけで「競争力がない」と判断するのは早計です。
不動産:負債比率が高く、市況に左右される
不動産業は物件を建てるために多額のローンを組むため、自己資本比率が低く、流動比率も100%程度になることが一般的です。
これらは財務の不健全さではなく、ビジネス上のレバレッジ(テコ)を効かせている状態です。ただし、金利上昇局面では他の業種よりもダメージを受けやすいため、その点は注意が必要です。
結論:同業他社との「横比較」が大切
このように、指標は「同じ業界の中で比べてどうか」という視点が欠かせません。
- まずはチェックリストで全体像を掴む
- 基準を外れた場合は「業種特有の理由」がないか調べる
- 同業他社と比較して、その企業の立ち位置を確認する
この3ステップを意識すると、銘柄選びの精度がグッと上がります。
銘柄分析を効率化するツールと活用法
チェックリストの項目をすべて手作業で調べるのは時間がかかります。
そこで、多くの個人投資家がデータの「下調べ」に活用しているのが「IRバンク(IR BANK)」というサイトです。
過去の推移をざっと見る
IRバンクの利点は、企業の財務データを過去10年以上にわたってグラフ化している点にあります。
- 長期的なトレンド: 売上や利益が一時的ではなく、継続して成長しているか
- 財務の推移: 自己資本比率が急激に悪化していないか
- 配当の実績: 過去の不況時(リーマンショックやコロナ禍など)にどのような配当を出してきたか
これらを視覚的に確認することで、チェックリストに合致するかどうかの「1次選別」を効率的に行うことができます。
最終判断は「公式サイト」の一次情報で
ただし、こうした外部ツールはあくまで過去のデータの蓄積です。情報の反映にタイムラグが生じる可能性も否定できません。
そのため、気になる銘柄が見つかったら、必ず企業の公式サイト(IRページ)を確認するのが鉄則です。
- 最新の決算短信: 直近の業績が予想通りに推移しているか
- 株主還元方針: 企業が今後の配当についてどのような「意思」を表明しているか
「ツールで長期的な傾向を掴み、公式サイトで最新の事実を確認する」
この2段構えのステップを踏むことで、より精度の高い銘柄選定が可能になります。
実際にチェックリストを使って分析してみた|オカムラ(7994)
「具体的にどうやってリストを使うの?」というイメージを掴むために、私が実際に分析した「オカムラ」を例に挙げてみます。
※あくまで執筆時点のデータに基づく分析例であり、投資を推奨するものではありません。投資判断は自己責任にてお願いします。
① 稼ぐ力:◎
- 売上・EPS: 長期で見ると右肩上がりのトレンド。
- 営業利益率: 直近では5〜8%程度。製造業(家具・物流機器)としては標準〜やや高めの水準です。
② 安全性:◎
- 自己資本比率: 直近では60%前後で推移。財務の土台は非常に堅実です。
- 流動比率: 200%前後を維持しており、短期的な支払い能力も十分と判断できます。
③ 現金創出:◯
- 営業キャッシュフロー: 右肩上がりではないものの、継続的にプラスを維持。本業でしっかり現金を稼ぎ、それを成長投資や配当に回せていることがわかります。
④ 株主還元:◎
- 配当方針: 公式サイトで「配当性向40%程度」を目安に、安定的な配当を目指す旨が明記されています。
- 実績: 過去、大きな減配がなく、累進的に配当を増やしている実績もIRバンク等で確認できます。
⑤ 割安性:◯
- PBR: 1.2倍前後で推移。最近は株価が上昇傾向のため、PBRは上がりつつあります。
分析のポイント
オカムラの場合、単に「利回りが高い」だけでなく、「財務が盤石」で「配当を出し続ける意思(方針)が明確」だったことが、チェックリストをクリアした大きな理由です。
「100点満点」の銘柄はほとんど存在しない
ここまで厳しいチェックリストを紹介しましたが、一つだけお伝えしたいことがあります。
それは、すべての基準を100%満たす銘柄は、市場にほとんど存在しないということです。
投資は「妥協点」を探す作業
「利回りは最高だけど、利益率が少し低い」「財務は完璧だけど、PBRが1.6倍で少し割高」といったケースは日常茶飯事です。
100点満点の銘柄を探し続けて、いつまでも買えない「分析地獄」にハマるのが一番もったいないこと。

100点に近い銘柄はすでに株価が高くなっていることが多いです。割安さを重視するか、今後のさらなる成長を期待して買うか。
自分の中の「優先順位」を決めよう
大事なのは、どの項目を重視し、どこなら妥協できるかという自分なりの優先順位です。
- 絶対に譲れない: 自己資本比率、配当方針(減配リスク回避のため)
- 多少の妥協はOK: PBR、利回りのコンマ数パーセントの差
このように、「80点なら合格」と決めておくことで、インデックス投資のように淡々と、かつ納得感を持ってポートフォリオを構築できるようになります。
失敗しないための「買い方・売り方」のコツ
銘柄を選んだ後、具体的にどう動くべきか。インデックス投資の「積み立て」とは少し違う、個別株ならではの作法があります。
「時間」と「銘柄」を分散する
どんなにチェックリストをクリアした優良株でも、市場全体の暴落には逆らえません。
一度に全額を投入するのではなく、まずは少額から、あるいは数回に分けて「時間分散」して買うことをおすすめします。
また、一つの銘柄に集中させず、複数の業界(業種)に分散させることで、特定の業界の不調に巻き込まれるリスクを抑えられます。

単元未満株を活用したポートフォリオ作りもあり!
「売る基準」もリスト化しておく
インデックス投資は「一生持ち続ける」のが一つの正解ですが、個別株は企業の状況が変われば「手放す」判断も必要です。
私が意識しているのは、株価の上下ではなく「買った時の前提が崩れた時」に売ることです。
- 減配が発表された
- 営業キャッシュフローが数年連続で赤字になった
- 配当方針が変更され、株主還元への姿勢が弱まった
- 企業の信頼を揺るがすような不祥事が起きた
特に、不正会計や法令違反などの重大な不祥事があった際は、私は即座に売却を検討します。 高配当株投資は、長期にわたって企業に資産を預ける「パートナーシップ」のようなもの。経営体制に疑念が生じた企業と心中する必要はありません。
このように、購入時の理由(根拠)が消えた時が出口です。感情に頼らず、数字で判断しましょう。
まとめ|自分だけの「守りの基準」を持とう
インデックス投資から一歩踏み出し、個別株の世界に挑戦するのは勇気がいることです。
しかし、自分なりの「選定チェックリスト」を持つことで、その不安は「納得感」に変わります。
最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば宝探しのような楽しさが見つかるはずです。
まずは気になる銘柄を一つ、IRバンクで検索するところから始めてみませんか?
あなたの資産形成が、より豊かで安心できるものになるよう応援しています。
私が始めて1ヶ月目で経験した「リアルな失敗談」はこちらの記事でまとめています。こちらも反面教師として役立ててもらえると嬉しいです。


